株主優待で楽天モバイルが無料になるって聞いたけど、本当なの?
楽天モバイルが優待で無料になる条件は?
こんな疑問にお答えします。
2024年2月14日、楽天グループが2023年12月期の業績を発表。
そして同時に、株主優待制度の拡充と配当金の無配になることが分かりました。
翌日、楽天グループの株価は一時15%以上の上昇をみせストップ高を記録。
今回改正された株主優待制度は「2023年12月末時点の株主名簿に記載された、100株(1単元)以上を保有する株主様を対象」として【楽天モバイル】「音声+データ30GB/月」プランを一年間無料で提供するという内容です。
本記事では、楽天グループの株主優待の詳細を解説します。
また、個人投資家視点で、今回の楽天グループの株主優待から考える株主優待との付き合い方についても詳しく解説します。
この記事を最後まで読むと、楽天の株主優待の詳細が分かるだけでなく、投資初心者の方でも投資の考え方について分かりやすく学ぶことができます。
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- 簿記3級所有
- 配当金月10,000円以上
- 評価益+実益500万円以上
- 楽天モバイルユーザー
- 本記事の内容は、楽天グループ公式サイト「剰余金の配当(無配)及び第27期株主優待制度(内容変更)に関するお知らせ」をもとに作成しています。
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楽天株主優待の内容
2024年2月14日に楽天から発表された株主優待の内容は、
「2023年12月末時点の株主名簿に記載された、100株(1単元)以上を保有する株主様を対象」として楽天モバイル「音声+データ30GB/月」プランを一年間無料で提供
楽天公式サイト「株主優待制度」より
というものでした。
2023年12月26日に株主優待の改正を発表しており、さらなる株主優待の拡充をしたことになります。
変更前後の比較です。
- 変更前[2023.12.26]
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「楽天モバイル」データ通信専用eSIM(30GB/月)を無料提供
保有株式数 株保有期間 無料利用期間 100株~ 5年未満 3か月 1,000株~ 5年未満 4か月 5,000株~ 5年未満 5か月 10,000株~ 5年未満 6か月 100株~ 5年以上 4か月 1,000株~ 5年以上 5か月 5,000株~ 5年以上 6か月 10,000株~ 5年以上 6か月 「剰余金の配当(無配)及び第27期株主優待制度(内容変更)に関するお知らせ」をもとに作成 - 変更後[2024.2.14]
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「【楽天モバイル】」の音声+データ(30GB/月)プランを株主様全員に1年間無料提供
保有株式数に関係なく、株主全員が1年間無料で楽天モバイルを利用できるというのは、超大盤振る舞いです。
ただ、楽天グループの財政は大変厳しいものとなっており、同時に配当金の無配も発表されました。
楽天モバイルが無料になる7つの条件
楽天の開示資料をよく読むと、「無料にてご提供」の後ろには7つも注釈がありました(笑)。
「楽天モバイル」の音声+データ(30GB/月)プランを株主様全員に1年間無料にて
「剰余金の配当(無配)及び第 27 期 株主優待制度(内容変更)に関するお知らせ」より
ご提供※1、2、3、4、5、6、7
そこで、楽天モバイル1年間無料の詳しい条件をカンタン解説します。
いつから無料になるのか
開示資料によると、ご利用開始基準日が「5月1日(水)」と書かれていました。
よって、2024年5月1日からの1年間は無料期間となりそうです。
また先行申し込み期間は3月上旬から3月下旬まで、eSIMの送付期間は4月下旬より順次となっています。
楽天グループの株をお持ちの方は優待専用サイトから上記の期間に申し込みを忘れずにしましょう。
【解説付き】楽天モバイル1年間無料の7つの条件
楽天モバイル1年無料の7条件について、ひとつずつ簡単に解説します。
条件1.特典変更の可能性がある
※1 特典内容が一部変更になる可能性がございますのであらかじめご了承ください。
「剰余金の配当(無配)及び第 27 期 株主優待制度(内容変更)に関するお知らせ」より
つまり、「いつ改悪されても文句は言わないでね。」ということです。
これだけの大盤振る舞いをしていますから、当然のことですね。
おそらく、「株主全員に楽天モバイルを1年間無料」は今回限りだと思われます(私見です)。
条件2.対象は2023年12月末時点での株主
※2 保有株式数は2023年12月末時点を基準とし、途中の基準日の保有株式数については考慮いたしません。
「剰余金の配当(無配)及び第 27 期 株主優待制度(内容変更)に関するお知らせ」より
「2023年12月末に株を持っている人が対象ですよ。」ということです。
SBI証券のS株(単元未満株)などで1株投資をしている人は対象か?という疑問が出てきますが、こちらは公式からの発表はまだ出ていません。
1株投資をしている人は、「対象になる可能性はある」くらいに考えておきましょう。
条件3.SPU特典は対象外になる
※3 SPU特典(Rakuten最強プランご契約で+4倍)は対象外となります。
「剰余金の配当(無配)及び第 27 期 株主優待制度(内容変更)に関するお知らせ」より
楽天モバイルユーザーは楽天市場で買い物をするときに楽天ポイントが4倍になるSPU特典を受けることができます(記事執筆時点)。
ですが、今回配付されるeSIMでは、このSPU特典は対象にはなりません。
日常的な買い物を楽天市場でしている人は、このSPU特典は大きいです。
わたしの場合、このSPU特典の対象となり、2023年に楽天でふるさと納税をしたことで自己負担分の2000円以上のポイントをもらうことができました。
楽天モバイルが気になる方はボタンをタップして詳細を確認してみてください。
楽天モバイルの公式サイトはこちら
条件4.日本国内での端末利用に限定
※4 本優待をご利用いただくためには、対応する通信端末(電波法第3章に規定される技術基準を満たし、日本国内でローミング可能な端末)が必要です。SIMのアクティベートは、日本国内で行ってください。
「剰余金の配当(無配)及び第 27 期 株主優待制度(内容変更)に関するお知らせ」より
「スマホは自分で用意して、日本国内で使って」ということです。
条件5.一部機能制限がある
※5 本優待での特別仕様のSIMのため一部機能はご利用いただけません。あらかじめご了承いただけますと幸いです。
「剰余金の配当(無配)及び第 27 期 株主優待制度(内容変更)に関するお知らせ」より
利用できない機能があるということですが、これが何を指すのかは記事執筆時点では分かっていません。
例えば、「テザリング機能は利用できない」など、何かしらの機能に制限がかかるようです。
条件6.国際通話や一部通話は無料の対象外
※6 本優待では、「Rakuten Link Office」アプリをご利用いただくことで、国内通話・国内SMSは無料となります。(0570)などから始まる他社接続サービス、一部特番(188)への通話、国際通話・国際SMSをご利用いただいた場合は、無料通話の対象外となります。後日利用された分をお支払いいただくことになりますので、あらかじめご了承ください。
「剰余金の配当(無配)及び第 27 期 株主優待制度(内容変更)に関するお知らせ」より
「専用アプリを使えば国内通話は基本無料ですよ。」ということです。
通常の楽天モバイルと同様に無料通話やSMSが利用できるのはありがたいですね。
条件7.利用期間経過後は自動解約
※7 利用期間経過後は、自動的に解約となりますので株主様の解約お手続き等は必要ございません。
「剰余金の配当(無配)及び第 27 期 株主優待制度(内容変更)に関するお知らせ」より
これは「自動で課金される心配はないから安心してね。」ということですね。
無料期間があるサービスは自動更新されて月額料金がかかるものが多いですから、これは良心的な対応と言えそうです。
楽天の優待から考える株主優待との付き合い方
「楽天モバイル1年無料」というようなニュースがあると、どうしても
「投資しておけばよかった!」
「このニュースでいい思いをした人がうらやましい」
という感想を抱きがちです。
中立的に記事を書くように気を付けているわたしですら、このような気持ちになります。
ですが、自分の「投資の軸」をもっていることで、こういった一過性のニュースに踊らされて投資で失敗するという可能性は低くなります。
そこで、みなさんの貯金・投資を応援するサイトとして、株主優待との上手な付き合い方を解説します。
投資初心者の方でも投資の考え方について分かりやすく学ぶことができますが、みなさんの学習のために一部専門用語も含めて説明しています。ご了承ください。
結局だれが得をしたのか?
究極を言ってしまうと、いつの世も資金力のある機関投資家がおいしいところを持っていくのですが…
ここでは「個人単位でだれが得をしたか」を考えてみます。
ここ最近の大幅な赤字から楽天グループの株価は低迷していました。
2023年は一時株価が500円を割る場面もあり、「オワコン」とまで言われる始末…
ただ、そこで株を購入し、今回の発表の後に売却をした人が得をしたことになります。
実際、Yahoo!ファイナンスの掲示板では「年収分稼いだ」と書き込んでいる人もいました。
これが事実かは別として、理論上は可能ということになります。
例えば、2023年6月に500円で10000株、計500万円、楽天グループの株を購入したとします。
これを2024年2月15日に、仮に1株700円で売却したとしたら、税引き前で200万円の利益になります。
こう考えると、確かに元手がある人であれば「年収分稼ぐ」ことも非現実的とは言えませんよね。
どうでしょうか?
「うらやましい!!」
って思いますよね。
わたしも思います(笑)。
ただ、こういったトレードは投資というより投機に近いやり方です。
実際、数千億の赤字を計上している会社の株にこれだけの金額を投資するわけなので、相当のリスクを負い、さらに周りから「終わった」と思われている株に逆張り投資をした結果です。
これだけのことを考えてもまだ「うらやましい」と思えるでしょうか。
個人的には、楽天のサービス全般は改悪されつつも利用価値のあるものが多いので、「経営がんばって!」という思いですが、投資するかはまた別の話です。
このような短期・中期のトレードでご飯を食べている人もいないわけではありませんから、こういった投資を否定するつもりは全くありません。
ただ、多くの人にとって最適な投資手法ではないということは頭に入れておきましょう。
楽天の優待から考える株主優待との付き合い方
長々と書いてありますが、言いたいことは
「長期投資において、株主優待は「おまけ」でしかない」
「優待投資をやるなら高配当株投資の方がマシ」
ということです。
以下はなぜそのような考え方をする必要があるのか、についての説明になります。
2020年の「Rakuten UN-LIMITプラン料金1年無料キャンペーン」以来の「楽天モバイル1年無料」という発表に、個人的には衝撃を受けました。
ただ、基本的にこのような株主優待制度の改正に敏感になる必要があるのは短期投資家や機関投資家だけです。
どうしてもほしいなら2024年中の株価が下落したタイミングで購入するのは自由ですが、株主優待は継続する保障はどこにもありません。
現に2023年12月から2024年2月の期間でもこれだけの変更があったわけですし、本来株主優待の存続するかどうかは企業側に委ねられているところはあります。
だからこそ、いち個人投資家であるわたしたちは、自分の「投資の軸」をもって対応することが大切です。
当サイト「20money|ニーマルマネー」では「初心者の方は長期のインデックス投資が向いている」という考えのもと運営しています。
具体的には、「NISA制度を活用して余剰資金でインデックス投資を長期分散積立で継続して、株価はあまり気にしない」というスタンスです。
中級者以上の人は高配当株投資もありだと考えていますが、優待のための投資は推奨しません。
だからと言って否定をするつもりもありません。
実際わたしも桐谷さんが月曜から夜更かしに出始めだったころ、テレビで見たときに衝撃を受けて株について調べ始めた人間です。
ただ、株主優待に頼っている会社が優待を廃止したら株価はどうなると思いますか?
そういうことです。
株主優待というと「カタログギフトがもらえる」「クオカードがもらえる」と聞くとうれしい気持ちになるのは事実です。
減配となると、機関投資家や海外投資家にも影響が出るため、そういった投資家の割合が多い企業にとっては大きな痛手となります。
ですが、株主優待制度はあくまで個人投資家向けの施策ですので、企業側からすれば廃止しやすい制度とも言えます。
ここで個人投資家のみなさんに押さえてもらいたいのが、「長期投資において、株主優待は「おまけ」でしかない」ということです。
株主優待制度は日本独自に発展してきた文化でもあります。
ここ最近は「優待から配当へ」という流れもあり、オリックスやKDDIなど個人投資家には優待株として有名だった企業が相次いで優待廃止を発表しています。
海外投資家や機関投資家からしたら優待は何のメリットにもなりませんから当然の流れではあります。
わたしが投資している株の中にも優待を実施しているものはありますが、「優待のために」株を買ったことはありません。
「安定成長かつ財務優良で継続的に配当を出してくれそうだから高配当を出してくれる企業に投資している」
「その企業がたまたま優待制度を実施していた」
という考え方です。
株主優待を目的に投資をすると、「○○がもらえる!」という甘い誘惑に目がくらんで、その企業の業績をあまり見ずに株を買ってしまう人がいます。
厳しい言い方ですが、「あめちゃんあげるからこっちおいで。」という怪しい大人の誘いに乗ってしまう子供と大差ありません。
この場合「あめちゃんほしいから付いていく!」ではなく「この大人は本当に信用できるのか?」と考えた方がいいですよね。
株式投資でも同じで、「一人の大人を信じてみる=個別株投資をする」のであれば、
その大人=企業の健康状態や信頼度(=財務や業績、株主への姿勢)をしっかりと見てから投資すべきです。
そう考えると、優待投資や高配当株投資は、個別株投資ですから、それなりに投資経験が必要な手法であることは理解しておきましょう。
だからこそ、「初心者の方にはインデックス投資が向いている」と考えているのです。
まとめ|自分の「投資の軸」をもとう
2024年2月に楽天グループが発表した株主優待の詳細と個人投資家としての「株主優待との付き合い方」について解説しました。
この記事のまとめです。
- 「優待投資や個別株投資などの個別株投資をするなら「自分の投資の軸」をしっかりもとう!」
- 「投資初心者の人は、NISA制度を活用して余剰資金でインデックス投資を長期分散積立で継続しよう」
- 「長期投資において、株主優待は「おまけ」くらいに考えよう」
最後までご覧いただきありがとうございました。
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